戦前のケーブルカー駅舎廃虚:愛宕山鉄道愛宕山駅(京都府京都市)

愛宕山鉄道愛宕山駅:駅舎全景真正面

愛宕神社へ向かうために作られた鉄道

愛宕山鉄道は戦前である1927年(昭和2年)に設立された鉄道会社であり、京阪電気鉄道と京都電燈が出資して作られた鉄道事業であった。

愛宕山山頂近くにある愛宕神社へ参拝する客らをターゲットとして開業。
当時は嵐山から清滝までの平坦線と、清滝川から愛宕山を結ぶケーブルカー路線で営業していた。

また集客力も高い場所であったからか、ホテルや遊園地(愛宕山遊園地)、スキー場にテント村とアウトドアレジャーの施設も作られ大いに賑わったが、日本が戦争時代に突入すると不要不急線として、レールを軍部に供出したことに伴い廃線。そのまま周りのレジャー施設やホテルも姿を消す事になり、今では山頂近くの愛宕神社へ参拝する人たちだけになってしまった。

蔦が絡み自然へ還ろうとしている駅舎

平坦線だった嵐山~清滝間は清滝道として道路に改修され、ケーブルカー跡はこの愛宕山駅と、清滝川駅跡地、6つあるトンネルが残る程度となった。

衛星写真を確認すると、愛宕山駅から麓へ向かうケーブルカーの通った跡のような線を見ることができるが、いずれはこの跡も消えることだろう。

残るトンネルも崩壊しかかっているという情報もある。

またこの愛宕山駅も崩壊しかかっている。見た目はしっかりと立っているようにも見えるが、ところどころ崩落が始まっており、ケーブルカーの乗口である部分は、傾斜もあって安全とは言えない状況だ。

駅舎に入ると、ベンチ代わりにして使っていたような石材などが置かれており、廃虚となった今でもたまに泊まりに来る人がいるのだろうかと思ってしまう。

全景を見てみると蔦が絡んだようなコンクリートの建物になっており、撮影時は真冬だったが夏には緑が生い茂るような出で立ちになるのだろう。この景色はあと何年持つのだろうか。

所在地

愛宕山駅舎跡に向かうには、愛宕神社本殿へ向かう山道を徒歩で登るしかない。

嵯峨清滝空也滝町付近の登山道口から山を登り、水尾わかれ休憩所からしばらく登った道から逸れ、東側を目指すと駅舎が見えてくる。

ただしほぼ目印がない箇所を曲がらなければいけない他、道らしい道はわずかに残っている程度であり、曲がる場所を間違えると遭難する恐れもあるので、自信がない場合は行かないことが懸命だろう。

もちろんこれだけの山になると携帯の電波が入らない場所も多くあり、国内にある廃虚の中でも、慣れていなければ難所に入るレベルだ。

ちなみに登山道口を含め、飲食店がまったくない。山道は何時間かかけて歩かなければいけないため、事前の準備が大事である。

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中の人は廃墟7割、離島1割、珍スポ1割、モデル撮影1割で構成されていると思われるフォトグラファー。廃墟好きをこじらせていろんなアイテムを作って遊んでます。