住宅地の隣にある現代のゴーストタウン:田浦住宅街(神奈川県横須賀市)

田浦住宅街:メインストリートとなる道

踏切を渡ると広がる現代版ゴーストタウン

日本国内でゴーストタウンと呼ばれるような場所は、ほとんどの場合山間部にあるような小さな集落で、その歴史も明治、大正、昭和初期頃から住み始めたものの、交通網の発達や少子化の影響、産業の廃退によってゴーストタウン化してしまったところがほとんどであり、そのような建物は大体が古い木造家屋であることが普通だった。

しかしこの田浦住宅街と呼ばれる住宅地はそれとは違い、昭和中期から昭和末期頃に建てられたような、比較的、新しい戸建住宅の廃屋が並ぶ住宅地廃墟である。

この場所は別に林業が衰退したわけでも、少子化によって住む人が少なくなってしまったわけでもない。すぐ側には普通に住宅地が広がっており、なぜこの場所がゴーストタウン化してしまったのか疑問に思ってしまうところがある。

昭和末期から平成初期にかけて、人々が暮らしていたと思われ、現在でも数十軒の家が残っている。

1997年(平成9年)には、田浦町3丁目~4丁目に「湘南田浦ニュータウン」という計画された住宅開発が行われる予定だったが、結局、計画が中止となり、現在の形になってしまったとされている。

今ではここを訪れる人はおらず、ホタルの生息地として観光開発を行う予定があるらしい。また近くに人が多く住む住宅地もあることから、防犯上の理由で地元警察が頻繁に巡回しているとのことだ。一帯は立入禁止であるため、現在はその姿を見ることはできないだろう。

人が住まう生活圏を区切るかのような横須賀線の踏切を渡ると、こうした風景が広がっているというのがなんとも不思議ではある。

とは言え、この国は少子化の傾向にある。誤解を恐れずに言えば、これからもっとたくさんの人が姿を消すことになるし、そうなればこのような現代版ゴーストタウンも当たり前の風景になってしまうのかもしれない。
そう考えると、この場所はその未来の縮図とも言えるだろう。

所在地

JR横須賀線、田浦駅より国道16号線を横浜方面に進み、横須賀線の高架をくぐったすぐ先の西側へ向かう路地に入り、そのまま山の方を目指すように進む。
すると、JR横須賀線と京急本線が交差するポイントが見えてくるので、そのすぐそばにある横須賀線の踏切を渡ると田浦住宅街にたどり着く。

田浦変電所の裏側に位置するという説明もあるため、地図上ではこのポイントを起点に探してみるのがいいだろう。

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