宇都井駅(島根県邑南町)

宇都井駅階段棟の駅名表示

廃線となる三江線の中で最も人気の高い駅

鉄道オタクと言うほど鉄道に愛着があるわけではないのだが、元々電車に乗るのは好きであり、車の移動を除けば飛行機よりもこちらが好きだったりする。
今回は2018年4月に廃線となってしまう三江線に乗車してきた。乗車目当てもあるのだが、一番の目当てはやはりこの駅。
島根県邑智郡邑南町、島根全体で言えば中部の南寄り。広島に近い場所に宇都井駅はある。

なんと言っても特徴的なのは「天空の駅」と愛称がつけられている通り、高架上にある駅だということだ。ただ高架上、というわけではなく駅ホーム・待合室のある高架上から地上まで20mの高さがあり、「天空の駅」と呼ばれているのはそのためだろう。高さ20m、高いととるか低いととるかは人それぞれだが、116段ある階段を昇り降りすることを考えれば、それもなんとなくうなずけるのかもしれない。
駅のホームに移動するための階段棟が、まるで大黒柱のようにそびえ立ち、規律ある風景を作り出している点も面白い。

宇都井駅を地上から撮影

駅からの平均一日乗車数は2015年時点の測定で、1人。Wikipediaを見ると0人の年もあったそうだ。見ると上下線合わせても1日8本の電車しか停まらない。朝8:00頃の電車を逃すと夕方までやってこないというところが、いろいろ物語っているのかもしれない。

宇都井駅の時刻表

駅の周りを見渡せば谷あいにあって、田んぼと小さな沢と、時々吹く風だけがこの風景を形作っていて、もしかしたら人が入り込む余地なんてないのでは?と思ってしまう程、静かに時間だけが流れている。

そんな宇都井駅で2010年から「INAKAイルミ」という、宇都井駅の橋脚をライトアップさせるイベントが始まったそうで、これが廃線後どうなってしまうのだろう?という疑問が残りつつも、個人的には続けてもらいたいイベントではある。

廃線後の宇都井駅

廃線後の宇都井駅は、地域のシンボルとして今後も地元のイベント利用などで使われることが計画されているが、2018年7月頃には管理会社であるJR西日本が立入禁止としてロープを設置。
基本的には管理された廃墟として存在することになった。
天空の駅として大きな話題となった駅が廃墟と化す場面を見ているようで、なんとも言えない気持ちになる。
そう、宇都井駅は2018年で廃墟一年生。これからどんな朽ち方をするのか、あるいは存続するのか、取り壊されるのか、誰にもわからないが廃墟となってしまったのは事実なのである。

所在地

かつてはGoogleMap上でも三江線の路線を確認することができたが、廃線以降はその存在も地図上から消え、施設を示すマーカーしか残っていない。
人から忘れ去られるという一面を垣間見たような思いだ。
鉄道が利用できた頃は、広島県川の三次駅か島根県川の江津駅から三江線に乗ればこの駅にたどり着くことができたが、現在ではそれも叶わなくなっている。
となると、車での移動が最短となるわけだが、広島県、島根県側ともに国道375号線を南北いずれかの方向に走らせることになる。
道はある程度しっかりしているが、やはり距離を感じるのは否めないところだろう。

車がない、もしくは運転できない人は三江線の代替手段となった路線バスを利用することになる。
利用する際は下記サイト他で情報を集めることをおすすめする。

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中の人は廃墟7割、離島1割、珍スポ1割、モデル撮影1割で構成されていると思われるフォトグラファー。廃墟好きをこじらせていろんなアイテムを作って遊んでます。